祖母の移住計画物語−その1

私には母方の祖母が日本にいます。
今年で92歳。
足腰、内臓はいたって丈夫で今のところ「死」の要素は全く見当たりません。
しかし数年前、彼女の老後の頼りでもあった借家長屋が火事に遭い、その時のショックから彼女の中の何かが狂ってしまったようで、少しづつ痴呆症が見られるようになり、それからは崖を下りおりるようにどんどん症状は進み、やがて一人では住めなくなり、私の両親の実家での同居生活をへて、現在は実家から徒歩の距離にある施設に入っています。
老人ホームになるのでしょうか。

私は祖母と同居をしたことがなく、祖母は今は亡き祖母と私たち孫にとっては所謂田舎に住んでいました。
高校生になるまでは、学校が休みになるたびに田舎に遊びに行っていた記憶があります。
特におばあちゃん子だったわけではないし、特別かわいがられたというわけではないと思いますが、多分何人かいるいとこの中では一番彼らに近かったような気はします。
特に私が日本を離れ、インドネシアに移り住むようになってから、彼女が年を取って、老いていくにしたがって、祖母に対する思いも段々強くなってきはじめた気がします。
祖父に先立たれ、一人になってしまった祖母の傍に居れないことがとても申し訳ない気がして、外国に住んでしまったことを悔いてしまうことも何度もありました。
帰国して、バリに戻る日になるたびに
「これが最後かもしれない」
という気持ちがしてとても辛かったです。

そして今回、経済的な事情やいろいろ複雑な大人の事情などがあって、私が祖母をバリで引き取ることにしました。
祖母の先行きを悩む母に以前から
「バリに来ればいいやん」
と提案してはいたのですが、取り合ってもらえない感じでしたが、
それで私が本当にいいのなら
ということで母も決心したようです。

(痴呆の祖母を引き取る)
大変だと思います。
きっとものすごく大変なことがあったりするのだと思います。
でも私は今、この先の不安よりも心配していることがあります。
果たして祖母はバリに住むことを受け入れることができるだろうかということです。
私は祖母の状態を今まで実際に一緒に住んでいたわけではないので詳しくはわかりませんが、一般的に痴呆の人は、新しい環境に順応するのはものすごく大変だとききました。
彼女がホームに移った当時も、ずいぶん長い間、毎日
「うちに帰る、帰らにゃならん」
と言っていたとのことです。
そうなったら、私は祖母を落ち着かせ納得させることができるか。
彼女はパニックにならないか。
祖母にバリで私と一緒に住むことを拒否られること。
今、これが一番不安です。

今バリ島には私のような在住者が増えてきています。
リタイヤメントの人たちの中には、彼らの両親(ほとんどの場合母親ですが。。)を連れて実際バリに住んでいる人も結構沢山います。
今はまだ元気だけれど、病気になったら日本に引き上げるといった人たちも居るでしょう。
しかし私の知る限りでは、ここで一生を終えるつもりの方の方がほとんどかと思います。
そして私のように最初は自分だけで来たのだけれど、そのうち日本に残してきた親も年を取り、誰が引き取るのかという問題もそのうちでてくる人もこれから沢山でてくるかと思っています。
領事館からの情報によると、毎月100人ほどの日本人がバリに移住目的で来ているそうです。
この間も90歳台のおばあさんが、3名も移住してこられたところだそうです。
そのうち皆が皆バリにずっと居ることを決めるとは限らないでしょうが、実際問題様々な年齢層の人たちがこちらに定住の場を求めているようです。

これから祖母をバリへ実際に引き取るために色々な準備を進めていかなければなりません。
滞在ビザのことだけでなく、お年寄りと一緒に住むために家の環境も整えなければなりません。
犬、猫はどうするか、お風呂場には手すりをつけるのか、趣味のために庭に畑をつくろうか。。
面倒を見るお手伝いさんも雇わなければなりません。
考えなければならないことが沢山あるようです。
祖母の移住の準備は先週まずはパスポート作りから始まりました。
今は師走で日本人としては、何かを始める時期として新年を待っている感じですが、来年になったら本格的に色々と準備に動き出す予定です。
どうしてこういう少しプライベートなことをブログに書くことにしたのか。
きっとこれから私と似たりよったりのケースの方がでてくるでしょう。
その人たちへの情報提供などと偉そうなことは言えるほど豆でも器用でもありません。
ただ、少し参考になればいいかなという気持ちと、あとは自分の気持ちの整理なのかもしれません。

ここまで長々と書いていて、実際何らかの問題のせいで、祖母を引き取る計画がなくなってしまうかもしれません。
そうなれば正直悲しいですが、呆けてしまっている年寄りが海外に移住するにあたってどんな障害がでてくるかわかりませんから。。

今日はひとまずここまで。


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